鶴が丘近郊で見ることのできる「きのこ」をご紹介します
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新企画「鶴が丘のきのこ」は、県民の森などはもちろん、団地内の公園や、家の庭先などでも見ることができる、いろいろな「きのこ」をご紹介するシリーズです。
若干マニアックではありますが、身近に在るきのこに少しでも興味を持っていただければ幸いです。見られる季節ごとに記事をリリースしていく予定ですので、ぜひご覧になって、お近くにお出かけの際に思い出して地面に目を向けてみてください。そこにご紹介のきのこが生えているかもしれません。
←第1回秋のきのこ
第2回 冬に見られるきのこ2種(2015年1月)
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1.エノキタケ
[時期:冬/場所:広葉樹の枯れ木や切り株など]
スーパーで売っているものとはずいぶん違うように見えますが、こちらがエノキタケ本来の姿です。
地方によってはユキノシタとも呼ばれ、その名の通り雪の下に発生する数少ないきのこの内の一つです。
天然のものは茶褐色でかさも大きく、粘性があり、鍋の具として親しまれている白いエノキとはあまり似ていませんが、美味しさは同じ、人によっては天然のものの方がシャキシャキとした歯触りが良くて好きだと言う人も。
細長く色の白いエノキが市場に出回るようになったのは昭和30年頃。
自然のものと同じ状態で栽培する事が難しいため、当初からクリーム色をしていたエノキでしたが、人の手による栽培を繰り返す内に、次第にその中に真っ白なエノキが出現。
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画像のエノキは鶴が丘三丁目の街路樹の切り株に発生していました。
冬、きのこの発生しにくい時期に現れ、街中にも気軽に姿を現してくれるエノキタケは、誤食の危険も少なく、何より美味しいきのこです。
(※食用にする際には必ず加熱する必要があります)
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2.カワラタケ
[時期:一年中/場所:広葉樹の枯れ木や切り株など]
こちらは冬というよりは一年中、日本に限らず世界中で姿を見ることができるきのこです。
枯れ木や倒木、生木にも取り付くため、庭木に発生するのは困りものですが、実はこのきのこ、サルノコシカケ科に属し、漢方で処方される霊芝と呼ばれるきのこの仲間です。
霊芝は後漢から三国時代の中国で著された「神農本草経」においても延命の霊薬とされ、多くの症状に効能のあるきのことして珍重されてきました。
近年、動物を対象とした実験でも、カワラタケには免疫増強作用がある事が報告され、注目を集めています。
見た目の通りの堅い肉質のために食用として使われることはほとんどありませんが、菌糸に含まれる成分から抗悪性腫瘍剤、抗ガン剤となり得る物質が発見されるなど、これからの研究が待たれるきのこです。
第2回 編集後記
ということで、冬の時期に近隣で見ることができるキノコをご紹介いたしました。
この時期に見ることができるキノコは少ないのですが天然のエノキタケが団地内で見られることには驚く方も多いのではないかと思います。
それではまた別のキノコをご紹介できるようになったら、お会いしましょう。
(写真調達の関係で公開が遅れてしまいましたが今回は1月の話題でした)